2026テーマ
「SPICE UP! JAPAN -スパイスで進化する、日本の食文化-」

「伝統食のスパイスアップ」その可能性

2026年のトレンドとしてのちに記憶されるであろう
「伝統食のスパイスアップ」
ここには大きな可能性があります。
この10年余り、さまざまなメディアを賑わせてきた
「スパイスカレー」という言葉は
「ルゥから作る家庭のカレーへのアンチテーゼ」
「既存のカレー文化に対するカウンターカルチャー」
として一定のインパクトをもたらしてきました。
しかし多くの場合その動きが、
「インドなどスパイス先進国の料理への憧れ」へと収まってしまっており、
「日本が世界に誇るカレー文化」という視点で見た場合、
逆に料理としてのアイデンティティを喪失してきているようにも思えます。
新奇性、差別化を狙えば狙うほど、そのカレーは難解になり、
ターゲットをより狭める方向へ向かっているとも言えます。

メディアでの「スパイスカレー」特集は減り、
東京・大阪で飽和した外食スパイスカレーの真のトレンドは今や
「脱都会」「地方移転」となりました。
そして2025年、その空白を埋め始めたのが「ビリヤニ」。

真新しいブームを狙った、それだけではありません。
「ビリヤニ」はターゲットをマニア層に狭めるのではなく、
逆にカレーの市場を広げる可能性すらあるのです。

東京や大阪といった特例を除けば、日本国民の多くは、
「全く未知の食べ物には手を出さない」保守層と捉えて良いでしょう。
彼らにとって「スパイスカレー」や
「インドのビンダルー」「ネパールのダルバート」は未知の食べ物です。
また、カレーの延長で捉えた時、
「期待していたカレーとは違う」というネガな反応が起きることもしばしば。

ですが「ビリヤニ」の場合、
「インド式の炊き込みご飯」で説明がついてしまうのです。
「炊き込みご飯」なら皆食べたことがあります。
そして、スパイスを用いることにより、
「いつもの炊き込みご飯より美味しい」という反応を得ることができるのです。
これこそがまさに「伝統食のスパイスアップ」の強みに他なりません。

ビリヤニはほんの一例です。

これからどんどん「スパイスアップされた伝統食」にスポットライトが当たり、
日本のスパイス食文化、聞いては日本のカレー文化はより多彩に、
より多角的になっていくことでしょう。

今年のジャパニーズカレーフェスティバルでは、
東京・大阪で育まれてきた日本カレー文化とはまた別の角度、
「伝統食のSPICE UP」から生まれつつある新しいカレー、
新しいスパイス料理に光を当てて見ようと思います。

ジャパニーズカレーフェスティバル プロデューサー
松 宏彰(カレー細胞)

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